簡易宿所許可や民泊新法でも度々出てくるキーワード「用途地域」についてはご存知でしょうか?
多くのサイトで紹介されているので、名前は聞いたことがある方が多いと思いますがどういった意味があるのかどのような地域が禁止されているのか把握することで物件探しにも生かせます。
概要とそれぞれの地域の意味、許可のタイプごとにどの地域が禁止されているかを説明します。
目次
用途地域とは?
概要
用途市域とは都市計画法に規定された土地の使い道(用途)です。
建築できる建物の用途を制限することで建物が無秩序にできることをなくし、住みやすい住環境をつくるためのルールです。
まず用途地域の上部の概念として市街化調整区域と市街化区域という2つの大きな区分けがあります。
- 市街化調整区域は田んぼや畑・山林などを守る地域で原則建築ができない地域。
- 市街化区域は建築が可能な地域で用途地域は市街化区域をさらに細かく分けたものです。
いくら発展するからといっても田んぼや畑はある程度まとまって管理しないと農家さんも困るし、それでは日本の第一次産業も衰退してしまいますね。そこで市街化する地域とそうじゃない地域を線引きをしておきましょうという意味があります。
用途地域の種類
では用途地域の種類についてみていきましょう。
用途地域は下記12種類に区分分けされています。
各用途地域の説明と福岡市での旅館業(ホテル・簡易宿所営業を含む)立地規制
※ホテル・旅館(簡易宿所含む)の立地が可能な地域は「可」立地不可は「不可」
その他地区計画や建築協定で禁止されているエリアもありますので注意が必要です。
低層住居系 | 第一種低層住宅専用 | 低層住宅のための良好な環境を保全する。 | 不可 |
第二種低層住宅専用 | 主として、低層住宅のための良好な環境を保全する。 | 不可 | |
中高層住居系 | 第一種中高層住宅専用 | 中高層住宅のための良好な環境を保護する。 | 不可 |
第二種中高層住宅専用 | 主として、中高層住宅のための良好な環境を保護する。 | 不可 | |
住居系 | 第一種住居地域 | 住居の環境を保護する。 | 可 ※3000㎡まで |
第二種住居地域 | 主として、住居の環境を保護する。 | 可 | |
準住居地域 | 幹線道路沿いの業務の利便と住居の調和を図る。 | 可 | |
商業系 | 近隣商業地域 | 近隣住民への日用品を供給する商業の利便増進。 | 可 |
商業地域 | 主として、商業の利便増進。 | 可 | |
工業系 | 準工業地域 | 主として、環境の悪化の恐れのない工業の利便増進。 | 可 |
工業地域 | 主として、工業の利便増進。 | 不可 | |
工業専用地域 | 専ら工業の利便増進。 | 不可 |
民泊新法では上記の住居区域でも民泊が可能となる見通しですが、各自治体での条例によっては平日の営業を禁止するなどの
実質禁止のような条例案も出てきていることから福岡市はじめ各自治体の動向が気になります。
自分の所有している建物はどの地域に該当?
用途地域の調べ方
用途地域の調べ方は福岡市であれば「都市計画閲覧システムの利用について」から確認することができます。
下は福岡市の用途地域の図です。
天神・博多エリアはほぼ赤(商業地域)に見えますね。
色分けについて
左の項目表示から用途地域を選択すれば各用途地域の一覧の色分けも表示されます。(上図右側に表示されています)
用途地域がまたがっていたら?
複数の用途地域がまたがっている土地はどっちが適用されるのか気になると思います。
この場合多くの面積が該当する用途地域が優先します。
詳しく知りたいときは役所の都市計画部に確認すれば教えてもらえます。
用途地域で禁止された地域では民泊はできないの?
国交省でも住居地域にある別荘を民泊に利用できないかなどの話し合いが行われています。
「特別用途地区においては地方公共団体の条例 により、建築基準法の用途制限を強化又は緩和することができる。」
とありますので条例がありきですが、全く認められないわけではないようです。
(個別案件について調べたい方は当事務所までお問合せください。)
まとめ
用途地域は民泊を行う上で規制となっておりやっかいだと思いかもしれませんが
周辺住民の住環境を守る大切な役目を果たしていることがお分かりいただけたかと思います。
日本独自の地域と寄り添って発展する民泊を展開できればもっと活性化するのではないかと思います。