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旅館業法の改正案で何が変わる?~民泊新法は旅館業法の改正とセットで考える

旅館業法の改正案で何が変わる?~民泊新法は旅館業法の改正とセットで考える

通常国会で審議が見送りとなっていた旅館業法改正案が12月5日に衆院本会議で通過し本臨時国会で成立する見通しとなりました。 ヤミ民泊規制の目的ばかりが目立っていますが民泊事業者にとってメリットとなる点もあります。 今回の旅館業法改正で何がかわるのか?を解説します。

目次

 旅館業法改正の趣旨

旅館業の健全な発達を図り、公衆衛生及び国民生活の向上に寄与するため、ホテル営業及び旅館営業の営業種別 を旅館・ホテル営業へ統合して規制緩和を図るとともに、無許可営業者に対する都道府県知事等による報告徴収及び 立入検査等の創設及び罰金の上限額の引上げ等の措置を講ずる。(厚生労働省旅館業に関する規制の見直しについて)

①     旅館業法のホテル営業及び旅館営業の統一

旅館業法に種類があることは以前の記事(旅館業の営業許可とは?~混同しやすい4つの種類)でお伝えした通りですが、「ホテル営業」と「旅館営業」の区別をなくそうというものです。旅館業法自体かなり昔にできた法律で現在の宿泊施設では和洋折衷のスタイル(例えば畳にベッドが置いてある部屋や逆に洋室に畳が置いてある等)が増えてきて洋室・和室の区別がつけにくい点があります。
改正案ではホテル10部屋以上、旅館5部屋以上とあった客室の最低数も撤廃され、1部屋からの営業も可能になる見通しです。そのため1つの部屋に見ず知らずの人が出入りする簡易宿所のスタイルではなく、1つのグループで個室に宿泊する観光客にも対応でき、現在の民泊スタイルにあった営業ができるかたちになります。また構造設備基準についても大幅に緩和されるため、より許可を取得しやすい制度へと変わります。

②     無許可営業者への罰則強化

平成30年6月15日より民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されますが、新法は既存住宅で民泊営業ができる緩和規定に対し、旅館業法にて罰則強化を行い違法民泊を排除していこうという流れに沿って規定されています。いわゆるアメとムチの関係ですね。
(1) 無許可営業者に対する都道府県知事等による報告徴収及び立入検査等の権限規定の措置を講ずる。
→既存の旅館業法では旅館業許可を取得して営業している者のみ立ち入り調査などの調査ができましたが、無許可営業者には調査ができる規定がなかったため違法民泊に対しての抑止力がありませんでした。ヤミ民泊営業者も罰則の対象になることで合法化を図っています。
 (2) 無許可営業者等に対する罰金の上限額を3万円から100万円に、その他旅館業法に違反した者に対する 罰金の上限額を2万円から50万円に引き上げる。
→旅館業法違反に関する罰則を強化しています。

施行期日

(施行期日)
第一条        この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条及び第十条の規定は、公布の日から施行する。

公布の日より1年を超えない範囲とあり、民泊新法と「アメとムチの関係」にあることから同時施行になるのではないかと言われています。

(施行前の準備)
第五条 新旅館業法第三条第一項の許可を受けて新旅館業法第二条第二項に規定する旅館・ホテル営業を営もうとする者は、施行日前においても、新旅館業法第三条第一項の規定の例により、その許可の申請をすることができる。
2 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、前項の規定による許可の申請があった場合には、施行日前においても、新旅館業法第三条第二項から第六項までの規定の例により、その許可を与えることができる。この場合において、その許可を受けた者は、施行日において同条第一項の許可を受けたものとみなす。

「旅館・ホテル業」は施行日前でも許可申請が可能です。そのため新旅館業法で「ホテル・旅館営業」を考えられている方は早めの準備を行うことで施行日より営業を行うことが可能となります。」
以上旅館業改正についてざっくり解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
罰則ばかりがクローズアップされますが真剣に民泊に取り組むことを考えている民泊ホストにとっては、有利な内容となっています。ホテル・旅館営業許可を取って365日営業できる点は大きいです。また今後簡易宿所営業許可と同様玄関帳場の設置をタブレット端末などの活用による代替法での宿泊者確認を認める方向との発表もあります。今後当事務所でも収益性にあった合法民泊プランを提示できるよう情報提供を行っていきます。

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