民泊ビジネスにご興味がある方の中には「民泊運営には簡易宿所での許可がおすすめと聞いたけど、一体どういうもの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
簡易宿所営業での許可は旅館業許可の中の1つの種別になります。
まずは旅館業について概要をつかんで頂くことで理解がしやすくなると思いますのでぜひご一読ください。
目次
旅館業の定義 (令和元年改正版に修正)
旅館業法における旅館業とは宿泊料を受けて人を宿泊させる施設であり、旅館・ホテル、簡易宿所などが該当致します。また宿泊とは「寝具を使用して施設を利用すること」を指します。
第二条 この法律で「旅館業」とは、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
2 この法律で「旅館・ホテル営業」とは、施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
3 この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
4 この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。
5 この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。
ここでの「宿泊料」についてはサービス料の「名目」に関わらず実際には「寝具のレンタル料や部屋の使用料」とみなされるものは「宿泊料」にみなされることがあります。民泊では室内清掃料が加算されているケースが多いと思いますが、旅館業法としての考え方では室内清掃料のみで宿泊はタダとした場合にも実質的に宿泊料にみなされる点があることに注意です。
また時間単位での利用「サービスタイム」「5時間のみなど」とした場合にも旅館業に該当する場合があります。
最近では会員制で定額使い放題やサブスクサービスなど新しい形態のサービス形態も増えています。会員制だから良いというわけではない点ご注意です。このあたりはニーズと乖離しつつあるので、旅館業法のみならず民泊新法含め新しい解決策が必要と感じています。
新規事業でここはどうなんだろうか?と疑問に思うこともあるかと思います。
白黒はっきりしたいという場合には厚生労働省のグレーゾーン解消制度のご利用する方法も考えられます。
旅館業の種別
上記旅館業法の営業種別まとめると下記になります。
旅館・ホテル営業
法改正により旅館とホテル営業が統一されました。設備要件などもぐっと身近に緩和された印象です。
主に一般的なシティホテルや旅館、少ない部屋数での民泊も該当します。
改正前までは客室制限がありましたが、1室から営業許可を取得できるようになったため、マンションの1室でのいわゆる民泊形式のお部屋でもこちらの営業種別で許可取得されるケースが多くなりました。民泊の場合下記の簡易宿泊との大きな違いとして定員を1名とすることが可能です。
簡易宿所営業
以前は上記の兼ね合いで、民泊では「簡易宿所」いわゆる「カンシュク」での許可取得が一般的でした。
上記の通り法改正により現在では1室からホテル営業が可能になったため、大勢が部屋をシェアするドミトリー形式のお部屋(シェアハウスのようなイメージ)が該当するように考えます。
また1部屋あたりの定員を2名以上とする必要があることに注意です。カプセルホテルなどもこちらでの許可取得の場合があります。
また1室での面積要件が旅館・ホテル営業と異なる(ホテル営業=ベッドありの部屋で9㎡以上、簡易宿泊営業=合計で33㎡以上ただし宿泊者が10人未満の施設の場合は一人あたり3.3㎡以上)ので1室あたりの面積が狭い場合に活用事例があります。(数部屋のシェアハウス>宿泊施設の事例等)
下宿営業
現在下宿という形態が希少なので私は経験ありません。ここでは詳細割愛させていただきます。